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気になる稜線 長瀞の谷草 2019年12月11日 朝霧、曇りのち晴れ 2名

投稿日 2019年12月14日

秩父鉄道の電車が親鼻橋を渡って上長瀞駅に近づく頃、右側の車窓、荒川の向こうに面白そうな稜線が見えます。木が葉を落とす季節、小さなアップダウンを伴いながら、その稜線は明るく照らされています。

標高400mほどのその稜線は名所「長瀞」の右岸に迫る山稜で、長瀞町と皆野町の境です。そこには「谷草」という四等三角点のピークがあります。この辺りは地図に山名は記載されていませんが、唯一「谷草」のピークの南側のこの辺りでは最も高い小ピークに「幕岩山」と書かれたテープが貼られていました。

今回は下田野(皆野町)に車を止め、長瀞の赤壁上の歩道「長瀞自然の道」で上郷(長瀞町)まで歩いてから尾根に取り付き、P252から忠実に稜線を辿ってP355、三角点の「谷草」(標高417.97m)を経て、谷草の村落をかすめて、下田野に下りました。総歩行距離は6.4kmでした。

地図に道はありませんが、稜線上はわずかに踏み跡があり、とくに阿弥陀ケ谷や風布などから長瀞に降りる道があったようで、そのための踏み跡は明らかです。

興味を引くのは県道の長瀞トンネルと平行している「長瀞自然の道」はいまは整備されて通行に問題ありませんが、昔は「井戸はぐれの旧道」というのが赤壁の上の斜面をへつっていたようで、馬もろとも落ちるという事故が絶えない危険な道だったようです。「はぐれ」とはそのような危険な場所という意味のようです。今でも少し道形が残っているようです。​その「井戸はぐれの道」とつながっていたのでしょうか、谷草の稜線上からは阿弥陀ヶ谷からの道が稜線を越えて、赤壁の方へ下っていました。井戸はぐれの道とのつながりを調べてみるのも面白いかも知れません。

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荒川の対岸にある宝登山の山頂から眺める谷草の稜線

20191211_東長瀞アルプス00.jpg

埼玉県長瀞町「谷草」の稜線ルート 長瀞町上郷から皆野町下田野

赤実線:歩行GPS軌跡

(国土地理院電子国土地図に情報追加)

 

通過時刻:

下田野の駐車地 8:10

長瀞自然の道入口 8:20

長瀞自然の道出口 8:30

塞神峠入口 8:40

P252 9:13

P355 10:12

P418(三角点「谷草」) 10:35 (昼食) 10:50

谷草集落上のピーク 11:18

下降点 11:35

下田野の舗装道 12:11

下田野の駐車地 12:19

所要時間: 4時間

歩行距離:6.4km

お風呂:かんぽの宿寄居

立ち寄り:寄居 埼玉県立川の博物館「かわはく」

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賽神峠への関東ふれあいの道が入り口

​入ってすぐに右斜め上に向かう斜面にある踏み跡を登る

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​この日秩父盆地は朝霧に覆われた

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三等三角点「谷草」標高 417.97m

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秩父市街方面を望む

荒川にかかる手前の橋は秩父鉄道の親鼻橋

​奥に秩父市街

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谷草集落上のイチョウ畑​と釜伏山

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駐車地付近から望む稜線

今回歩いた稜線には風布や阿弥陀ヶ谷、谷草などから長瀞に越える道があったようで、気づいた限りでは長瀞に下る道が三箇所(ひとつは下田野へと書かれた道標がありました。もうひとつは井戸はぐれにつながっていそうな感じでした。最後は今回下山に使ってみました)ありました。また三角点のある谷草のピーク辺りから伸びる稜線が釜伏山とつながっているため、長瀞から釜伏神社や釜伏峠から川越などへ向かう人の最短ルートだった可能性もあります。

今回、地図にある緑破線のルートで下山しようと計画していたのですが、最後に見つけた下田野に降りれそうな道形で下山してみました。この道形は急な岩尾根を避けて緩やかな斜面を斜めにへつるように谷筋に下っていましたが、途中で藪の中に消え、数分の藪漕ぎと水流のある沢筋を無理やり下降した後、再びはっきりした道形を見つけて下田野に降りることができました。少し予定よりショートカットした形になりましたが、藪漕ぎで腕は傷だらけになりました。

​約4時間の短い山行でしたので、寄居のかんぽの宿でお風呂をいただき、荒川の川原にある「埼玉県立川の博物館 かわはく」に寄って、荒川と人との関わりについて学びました。展示場スタッフの丁寧な説明には感謝です。

 

 

 

​(熊五郎)

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