
投稿日 2016年01月13日
秩父のハイキングと言えば、破風山(はっぷうさん)。
私は仕事の関係で東京に出てきた二十歳の頃、関東の山を登りたいと思い、本屋でガイドブックを買い、知ったのがこの山。
秩父鉄道の皆野駅から歩いて行けるし、秩父の札所にも寄れる。そう思って最初に選んだのがこの山でした。
この山の山頂ののんびりした雰囲気。石祠が南を向いてねむたそうにしています。
「嗚呼、秩父の山はいいなぁ」と感じた瞬間でした。

破風山山頂にある石祠
現在はコンクリートを型に流したもので赤く塗装してある
昔は手前の土台に石に彫られたかわいい石祠があった
それはもう35年も前の話です。そのころの山頂の石祠はどこの山にもあるような石に彫られた小さな石祠でした。それが今では土台しかありません。
代わりにコンクリートを型に流して作られた量産型石祠が置かれていました。2001年にはすでにこれに代わっていました。同じような赤い石祠は風戸から少し登ったところにもありました。
昔買ったハイキングガイドには古い石祠が写った写真があると思いますが、いくら探しても見当たりません。なつかしい石祠。おそらく土台を残して上部は転落してしまったか、風雨で壊れたか、はたまた心無い人に持ち去られたか。残念なことです。

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秩父皆野 破風山山頂 東から南西方面の眺め
さて、石祠がいつも見ている景色。それが上の写真です。
おそらく展望が効くように地元の方が南面の木を切ってくれているのでしょう。たいへんよい眺めです。
北武蔵の山々から、中央に秩父の名峰「武甲山」。東京都の背稜、甲武の稜線が眺められます。
二十歳ごろの私。この眺めを見て、「さて次はどこに登ろうか」と考えたに違いありません。その後結婚して二回目の破風山は2001年に娘二人を連れて来ることになろうとは。このとき思ってもみませんでしたね。
(熊五郎)