
日本勤労者山岳連盟「山と仲間」1979年1~12月号
私が20代のころに読んでいた雑誌「山と仲間」。
その頃は、「山と渓谷」「岳人」「岩と雪」「新ハイキング」と、この「山と仲間」が、定期刊行の山の雑誌だったと思う。
私はグラビア写真のきれいな「山と渓谷」はあまり好きにはなれなかった。なぜだろうか。今でもきれいな山とともにきれいな女性がグラビアや表紙を飾っているが、どうも開く気になれないのだ。
新ハイキングはグラビアが白黒写真のときはずっと買っていた。今でも手元に300冊以上あるが、カラー写真になってからは買っていない。これもなぜだろうか。
岳人は、読みたい記事があるときだけ、たまに買っていた。モン〇〇配下になってからはつまらなくなったので買っていない。
この山と仲間はわりとマニアックな記録や沢の遡行記録が載っていたので、ときどき買っていた。薄いのでリュックにしのばせ山の行き帰りに電車の中で読んだりしていた。
今は、ほとんど雑誌は買わない。山の雑誌は一年の繰り返しのようなものだし、最近はファッション化して登山用品の購買欲をそそるものばかり。話題はファッションやグルメなど、俗なものが多く、普段の生活レベルを山に求めるようなものばかりだ。山の楽しみ方は自由だが、人の言うことをそのまま自分に当てはめる人は多い。
大量にたまった山雑誌は、私が上京したあと、親父に捨てられてしまった。この山と仲間も同じ運命。手元には一冊も残っていなかった。比較的場所をとらない新ハイキングは残ったが.....
ところがオークションを眺めていると見覚えのある表紙が目に入った。とたんに昔を思い出し、投げ売り状態の山と仲間をセットで購入した。当時の登山用品店の宣伝や、当時の山小屋の様子、当時の登山者のスタイルなどなど懐かしい。
(熊五郎)