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PIC使用の8桁周波数カウンタキット

投稿日 2022/01/25

長らく使っていた(ほとんど使いませんでしたが)周波数カウンタを久しぶりに使おうとしたら調子が悪いのでオーバーホールすることにしました。

 

数々の便利なキットを販売している秋月電子では、昔から周波数カウンタのキットが販売されています。当局が昔購入した周波数カウンタキットはインターシルのICM7216BIPI(8-Digit, Multi-Function, Frequency Counters/timers)を使用した10MHzの8桁カウンタでした。10MHzでは物足りないので、250MHzや1200MHzのプリスケーラも販売されていました。ケースに入れて真面目に作った割には使用することが少なかった物です。

8桁周波数カウンタ01

秋月電子の旧8桁10MHz周波数カウンタ

10MHzの基準周波数オシレータ、プリスケーラも搭載

入力の広帯域アンプが壊れたか、調子が悪い

時は過ぎて秋月電子の周波数カウンタも再設計されて新しくなりました。「8桁周波数カウンタキット」(名前は進化してない)です。現在は同じ8桁ですが、PICマイコンを使用し、周波数は50MHzに拡張されています。価格は3800円。CN製の同じような物を買うよりはマシかなと思って購入してみました。

 

この周波数カウンタは、HF、LF、CH1、CH2の4つの入力チャンネルを持っています。HFは2SK241使用の広帯域アンプを備えた100KHzから50MHzレンジ用。LFはオペアンプの低周波アンプを備えた50Hzから200KHzレンジ用。CH1は、0Hzから50MHzで分周比1から9999が設定可能なプリスケーラ用のTTL入力。CH2は、0から50MHzでオフセット設定可能なTTLレベル入力です。

 

CH2のオフセット機能はラジオなどのヘテロダイン周波数を中間周波数のオフセットを加えて表示させて直読するのに便利な機能です。他の便利機能としてはRS232で周波数値をパソコンなどへ送信可能です。基準周波数は12.8MHzのTCXOが使われています。GPSモジュールを使った校正もできるようです。PICは24FV32KA302が使われています。ICソケットに乗っており、pickitなどの書込み器をつなぐICSP端子もあるので、自分なりのプログラムにして遊ぶこともできそうです。

ケースは前のものを使いますが、中身はすっかり置き換えます。再利用するのはケースと電源トランスまで。出力電圧アジャスタブルなLM317を使って9Vの電源回路を新設し、キットの名刺2枚分ほどの回路基板を納めました。フロントパネルは新しくアルミ板を加工して、7セグメントの表示部や、操作スイッチ類を配置しました。

このキット、困ったことに4つのチャンネルの指定を2桁のディップスイッチのON/OFFで切り替えるようになっています。どうしてこんな設計にするんでしょうね。ロータリースイッチで切り替えられるようになっていたら簡単でしかも格好いいのに?! ディップスイッチじゃ切り替えが面倒くさいし、第一フロントパネルでそんなこと出来ません。この不便さは4-2エンコーダ回路の追加でカバーすることにしました。エンコーダにはSN73148 8-3プライオリティーエンコーダーあたりが適当ですが、手持ちがないのでPICマイコン(16F1823)で作ることにしました。これによって、フロントパネルからロータリスイッチで切り替えられるようになりました。楽チン!

8桁周波数カウンタ02.jpg

秋月電子の新型8桁50MHz周波数カウンタ

​部品実装後の基板

PIC 24FV32KA302使用

7セグメント表示部は切り離せるようになっている

8桁周波数カウンタ03.jpg

旧カウンタのフロントパネルのみ交換し

実装した様子

小さい基板はレギュレータとチャネル選択回路のPIC

​GATEボタンが部品不足で未実装

まず7セグメントの表示部とスイッチ類が乗っているサブ基板を切り離します。7セグメントの表示部は、蛇の目基板を切って乗せるようにしました。配線が大変ですが。プッシュ・スイッチや入力のBNCコネクタ、電源スイッチ、チャネル切り替えのロータリスイッチ、TIMEのインジケータなどをアルミ板を加工して作ったフロントパネルに取り付け、カウンター基板、エンコーダー部、電源部との間を配線します。

CH2(オフセット機能付き)の入力はフロントには出さず、リアパネルのRCAプラグで入力するようにしました。RS232出力やGPSは、今回使っていません。将来プリスケーラを搭載できるようケース内にスペースをとってあります。フロントパネルのBNCコネクタは、HF、LF、プリスケーラ入力のCH1をそれぞれ独立で用意しました。チャンネルを切り替えるロータリースイッチを回すと、各BNCコネクタの上のLEDが点灯するようにしました。CH1は今のところ直結してありますが、将来プリスケーラを増設したら配線しなおします。

チャンネル切り替えをロータリー・スイッチにするために、PIC 16F1823で作ったエンコーダーの回路は掲載するほどのものではありませんので省略します。プログラムは、ロータリースイッチの切り替え状態をチェックして、2ビットのデジタル出力のパターンを所定のチャネル用にレベルを決めているだけです。

8桁周波数カウンタ04.jpg

123.45XKHzをLFチャンネルで観測

-25dBm

SSGはHP8656B 0.1 - 990MHz

8桁周波数カウンタ05.jpg

10.000.00XMHzをHFチャンネルで観測

-15dBm

8桁周波数カウンタ06.jpg

33.333.33XMHzをHFチャンネルで観測

-15dBm

8桁周波数カウンタ07.jpg

50.000.00XMHzをHFチャンネルで観測

-15dBm

(JF1VRR)

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