
写真1 AD9833 DDS MSOP 0.5ピッチ 変換基板に乗せる
それはさておき、
このチップは10ピンのMSOPで、写真にようにピンセットの先ほどの大きさです。
変換基板に取り付けましたが、ピンのピッチは0.5なので、半田付けにはちょっと技術が必要です。
まずチップをゲルタイプの瞬間接着剤で正確な位置に仮止めしておきます。
フラックスをほんのわずか塗って、すべてのピンにわざとまたがるくらい半田を盛ります。
半田吸い取り線で、余分な半田を吸い取って、出来上がり。
慣れれば簡単ですが、最初は数個パーにする覚悟がいります(笑)。
このDDSは、マスタクロック(MCLK)周波数は最高25MHzで、その場合最高発振周波数(ナイキスト周波数)は12.5MHzとなり、分解能は0.1Hzです。
今回は手持ち部品の関係で、20MHzのクリスタルを使用したので、10MHzまでのプログラマブルオシレータとして、実験してみました。この場合の分解能は約0.075Hzです。

写真1 インターフェース6月号に付属したFM3 評価ボード
今回インターフェース誌に付属したボードに搭載されているのはMB9BF618TというモデルのCPUです。
ちょっと見たとこ、STマイクロシステム社やNXP社のCPUとそんなに変わりません。
みんなARM社のCPUコアを採用するようになって、ドングリの背比べになってしまいました。
日本の会社が出すとココが違うってのを、ドカンとブチまかしてほしかったなぁ!

写真2 モード切替えのジャンパーと、リセットボタンを乗せた。
赤いリセットボタンは宙ぶらりん。
4Pタクトスイッチも乗せられるようにしといてよ!
それはそうと、
今回は開発環境として、IAR社のEWARMを使用しました。といってもEWARMでできるのは、コンパイル、リンクまでです。オンラインデバッグとダウンロードは使えません。トホホ
出来上がった実行ファイルは、富士通の提供する「USB Direct Programmer」というソフトを使ってFM3にダウンロードしなければなりません。
FM3にはSTマイクロシステム社のディスカバリーのようなST-LINKに相当するものが無く、単にCOMポートからダウンロードするローダーが書き込まれているだけ。COMポート経由だからとにかく遅い。ST-LINKだとUSBだから一瞬で終わるのだが、FM3はこの辺がかったるいですね。雑誌の付録のため安くあげないといけないので仕方ないですね。(インターフェース6月号は2310円もするので、決して安くないが...)
オンラインデバッグができないのは、ちょっと悲しいですね。
試したプログラムは、マイコン界の"Hello World"に相当するLEDチカチカ。
インターフェース誌に載っていたのを打ち込んで走らせてみました。
#include "mcu.h"
static void InitPort(void);
int32_t main(void)
{
uint32_t period;
InitPort(); //GPIOのPin3のみ初期化する
period = SystemCoreClock / 100;
SysTick_Config(period); //10msのティックを得る
for( ;; ) {}; //永久ループ あとはSystick割り込みで
}
static void InitPort(void)
{
FM3_GPIO->PFRF_f.P3 = 0;
FM3_GPIO->PZRF_f.P3 = 1;
FM3_GPIO->DDRF_f.P3 = 1;
FM3_GPIO->PDORF_f.P3 = 0;
}
void SysTick_Handler(void) //SysTickの割り込み処理 10ms間隔でエントリ
{
static uint8_t cnt = 0;
cnt++;
if (cnt >= 50) { //10 x 50 = 500ms
FM3_GPIO->PDORF_f.P3 = ~FM3_GPIO->PDORF_f.P3; //500msごとに反転させる
cnt = 0;
}
}
本に書いてある通りやれば動きますが、注意する点は、EWARMのメニューで「プロジェクト」->「ビルド構成の編集」に入って、MB9BF618T Releaseを選んでおく必要があることです。
これが他のCPUになっていたり、debugになっていると動きません。
FM3に期待するのは、その性能(性能はドングリの背比べ)より、国産ということで、日本語マニュアル類や、日本語のアプリケーションノートなどの充実です。まだまだこれからのようですが。
2310円払ったのは、ちょっと高かったなぁ。
(JF1VRR)